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原付アニメ「スーパーカブ」、二人乗りに「違反」の指摘も 製作サイドが語った演出意図 - 弁護士ドットコム
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アニメ「スーパーカブ」(TOKYO MXなどで水曜深夜放送中、各配信サイトで配信中)で描かれた原付自動車の二人乗りシーンに、「違反なのではないか」との指摘があった。
カブのメーカーHondaが協力し、警察ともコラボする作品でもある。実はこのシーンは原作小説にもあり、本来禁止であることも説明されている。それでも「二人乗り」の描写をアニメに残した意図は何なのか。製作するKADOKAWAが答えてくれた。
●自動二輪免許取得後1年は2人乗りダメじゃなかった?
アニメは、同名のライトノベルのメディアミックス作品だ。山梨県北杜市を舞台に、中古のスーパーカブを購入した女子高校生らの姿を丁寧に描く。
さて、該当シーンを含むのは第6話(5月12日深夜放送)。主人公の高校生「小熊」(CV:夜道雪さん)が自身のスーパーカブの後ろに、同級生の「礼子」(CV:七瀬彩夏さん)を乗せて走る場面だ。
6話の冒頭、小熊が自動二輪免許を取得したことが紹介され、スーパーカブの排気量が49ccから52ccに変更され、原付(一種)から原付二種になったとの言及がある。
その後、上述の二人乗りシーン(※公式サイトで様子が数カット紹介されているhttps://supercub-anime.com/story/06.html)が描かれる。
これに、作品の視聴者から、「自動二輪免許を取って一年未満での二人乗りは違反」などと、違法行為を指摘する声が上がった。
道路交通法では、普通自動二輪車免許を受けた期間が1年未満の者は、運転者以外の者を乗車させて普通自動二輪車を運転してはならないと定められ、これに違反すると、10万円以下の罰金に処される。
もっとも、登場するカブのナンバープレートには、現実では見られない「し」や「ん」が使われており、また、作品はフィクションであるとも明示されている。
一方、作中では「これで道路を問わず、30キロ制限だった最高速度が他の自動車と同じになった」など現実の交通法規に則した言及も各所で目立つ。また、作品の舞台となった山梨県警北杜署ともコラボして防犯・交通安全啓発ポスターまで作っている。
この二人乗りの描写について尋ねると、アニメを製作するKADOKAWAが回答してくれた。
●KADOKAWAは「夢のある楽しい物語として楽しんで」
「この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。ただし、この物語に登場する「スーパーカブ」は、本田技研工業株式会社の協力・監修のもと実在するデザインを再現して使用しています。」
こちら本編中のテロップでも明示している通り、この物語はフィクションであり、「スーパーカブ」デザインに関してのみ、本田技研工業様の協力・監修を頂いて使用しております。
この二人乗りについては原作の小説では丁寧に語られていたところでもあり、少しアニメでは略した形で表現はされておりましたが、その後の展開でキーとなるシーンでもあり、その点は原作と話の流れを尊重し残しました。
キャラクター性を重視したストーリーの展開上、必要と判断した上での演出となりますので、公序良俗、法律に反する意図は全くございません。あくまでも創作された現実ではない夢のある楽しい物語=フィクションとしてお楽しみいただけましたら幸いです。
●作品が教えてくれる「大事な話」
アニメの原作となった小説(第1巻)にもあたってみた。これ以上のネタバレを避けるため、詳しくは書かないが、たしかに「自動二輪免許取得後1年未満の二人乗り」について主人公の心境が丁寧に書かれていた。
小熊が礼子とカブで二人乗りするのは、修学旅行先の海沿いの道路だ。イチ視聴者としては、戻らない青春に目がくらみそうになる。ぜひ、アニメや原作にふれて、二人乗りに至った経緯を確かめてほしい。